会社とは何か?
会社って何?と子供から問われたときに即答できなかったことがある。ある程度ちゃんと考えていないと答えることは難しいと思う。皆様はこの問いに対してどのような主張をお持ちでしょうか。
「一人では成し得ない大きな協力しながら進められる」「利益を追求するところ」など色々な答えが出てくると思う。
では問いを変えて「会社の目的はなんですか?」と問われた際にどのようにお答えになりますか?
会社とは
「共通の目的を持っている人たちが、そのために協力して成果を出すための場」
米国経営学者チェスター・バーナードは次のように述べている。
「会社のような組織を成立させるための必要且つ十分な条件として、①共通目的、②共同意欲、③コミュニケーション」を挙げています。
そして、会社は部活動によく似ていると言われています。
会社を甲子園出場を目指す野球部に例えるならば、
- 組織:野球部→会社
- ①共通目的:甲子園出場→東証プライム上場など
- ②共同意欲:練習→営業、マーケティング活動など
- ③コミュニケーション:監督・コーチからの指導→上司との1on1やOJT
などが思い当たる。
会社には利益以外にも様々な目的があります。それに知恵と経験を絞って最善策を考え、実行し、目的に一歩ずつ近づきます。これは会社という場があってのことです。
会社の目的
近江商人の知恵に「三方良し」という言葉がある。買手良し、売手良し、社会良し、である。高島屋や伊藤忠商事などの日本を代表する企業のルーツともされる近江商人の経営哲学を表した言葉である。
三者が同じように満足する持続性のあるビジネスの大切さを説いている。
例えば売手が「何が何でもうちが儲ける」と考えたとします。そうすると法外な利益を上乗せしてモノを売ることも出てくるでしょう。買手は「買って損をした」と思うこともあるでしょう。またこのとき値段以下の価値しかない商品が出回るため、社会的な成長は期待できません。このやり方は売手は一時的な利益は出るかもしれませんが、買手は「二度と買うまい」と思うはずです。このようなことが続くと、この売手は売り上げが減り利益が上がらず赤字となり最終的には倒産するでしょう。このような一方良しでは三者が同じように満足し、持続性のあるビジネスにはなりません。これは二方良しでも同じことが起こります。
会社の目的は、売手、買手、社会、全体の利益のためにバランスよく設定されることが重要と言えます。
株式会社の仕組み
会社を始めるにはどこからかお金を集める必要があります。特に会社が大きく成長するときには大きな資金が必要となります。そのため、お金を調達しなくてはなりません。まず銀行が思い当たりますが、銀行から借金をした場合、利息も付き、返済も必要となりますので、もし返済が滞れば倒産することになります。このように銀行からお金を借りることを「融資」と言います。
一方、株式会社は出資したいと考える人からお金を出してもらうことで、無期限に資金を調達する仕組みです。出資してくれた人のことを出資者と言い、株式会社への出資者のことを株主といいます。株式会社は株主の出資額に応じた証書である株式を発行することになります。株式会社がもうかって利益を出した場合、株主の出資額に応じて利益の一部が配当として毎年還元されます。ただし、利益が出せない状態が続き倒産した場合は出資した金額は返ってきません。投資額を失うリスクはありますが、株式会社が利益を上げれば上げるほど配当金額も増えることになるので、出資者はこれから成長する会社の株式を買いたいと思うのです(一般論として)。
また厳しい審査基準をクリアして株式上場をした会社は、証券取引所で株式が売買されるようになるため、会社の信用も高まり、より多くの人から株式を買ってもらえることでより多くの資金が集まるようになります。買いたい人が多ければ株式の価格は高くなる仕組みになっています。
株主の権利
株主は配当を受ける権利だけではなく、経営に参加する権利も持っています。会社の重要な決定事項は、株主総会を通じて投票によって決定され、時には取締役の選定といった内容も扱われるため、経営者にとって株主は非常大きい力であると考えてよいでしょう。よく会社の所有者は経営者であるととらえられることもありますが、実際の所有者は出資をしている株主であり、株主が経営者に対して経営を依頼していると考えたほうが正確であると言えます。ただし、経営者自身が大量に株式を所有するオーナー社長と呼ばれる状態もあり、株式上場をしていない中小企業に見られます。
組織構造①
会社組織の中はどのようになっているのでしょうか。ピラミッド型になっていることが多く、これをヒエラルキー型組織と呼びます。ピラミッドの一番上が取締役、組織全体をまとめる役割。その下の階層が管理職、一番下が一般従業員となっており、管理職の管理に基づいて様々な業務を行っています。ピラミッドの上の階層に行くほど権限と責任が大きくなっていく仕組みになっています。
組織構造②
次に部門構造ですが、ヒエラルキー型組織の組織形態は、機能別組織と事業部制組織であることが多く、それぞれの組織形態で部門構造が変わってきます。機能別組織は職能別組織とも呼ばれ、役割ごとに部門が分かれている組織であり、特徴は、業務範囲が細分化され専門化されているという点です。そのため、従業員は各専門分野を高めやすいというメリットがありますが、小回りが利きにくい形態なので、変化の少ない安定したビジネス環境に適しているともいえます。
事業部制組織とは、製品や地域ごとに事業部を作る組織であり、特徴は業務プロセスを一つの事業部が一貫して担当するという点です。一貫して担当することから、意思決定が速く、スピーディに事業運営が行えるメリットがあります。一方で部門間でのノウハウや知識の共有がしにくいというデメリットがあります。性質の異なる事業や取引先が多岐に渡っている企業に適していると考えられます。事業部制組織の発展形として、事業部の独立性を高めて、一つの企業のように扱うカンパニー制組織という形態や、機能性組織と事業部制組織の両方の長所を融合させたようなマトリクス型組織といった形態があります。
部門構造を知ることで企業がどのような点に重きを置いているかが見えてきます。自社が何を重視して現在の部門組織にしているか考えてみましょう。
組織構造③
次にラインとスタッフの違いについてみていきましょう。ラインとスタッフの二つに分けることができます。ラインとは製造やサービスの提供など、会社の主活動に直接かかわり、数値化された目標やノルマの達成が重要になります。営業部門や生産部門がこれに当たります。
スタッフは直接利益を生み出さない支援活動がメイン業務であり、ライン業務のサポート的な位置づけの役割を果たしています。人事部門や総務部門がこれにあたります。これまで説明してきた組織構造は部門ごとに分かれた携帯でしたが、部門を超えて組織が部門横断的に作られることもあります。「プロジェクトチーム」や「社内ベンチャー」がこれにあたります。
まとめ
- 会社の活動は自社や消費者の利益だけではなく、社会の利益も考える
- 株式は会社が資金を集めて成長するための仕組み
- 組織構造は会社の目的に応じて最適な構造がそれぞれ異なる
会社の目的や構造を知ることで、会社の中での自分の仕事の役割についても考えるきっかけになり、目の前の仕事も取引先や社会に関係していることだと改めて認識させられます。また地震が所属している会社だけではなく、他社や他の業界がどのようになっているのかも気になってきますね。
皆様もせっかくですので一度お考え頂けましたら幸いです。
以上、参考になりましたら嬉しいです。