学んだことをまとめ、アウトプットする。これが記憶の定着を促し、学習効果を引き上げる。
ブログ配信や社内勉強会を実施する、家族や友人に話すなど、実践している方も多いと思う。
前向きな反応を得られて、自分も気づいていない意見をもらえて大きな気づきがあったりすると面白くなってくる。
ただ、実践となるとなかなか難しい点がある。昔のやり方に戻ってしまっているという方もいるだろう。
結局本に書かれていることは理想論であり、現場で起こっていることにはあてはまらないのではないかとおもってしまうこともあるだろう。
そういった時でも、うまく使えなかった要因を深く掘り下げてみることもいいかもしれない。
例えば。振り返りをしてみましょう。
振り返りのポイント
学び方について
- 経験 70%
- 他人 20%
- 研修 10%
- 土台となる知識
以前ご紹介したドミンガー社の調査でも、経験や実践からの学びは古くから重要視されてきた。
実践からの学びというのは古くから研究の対象となってきた。1980年代 コルブという組織行動学者が提唱した経験学習モデルが特に有名である。
経験学習モデル
- 具体的経験
個人が置かれた状況の中で具体木的な経験をする - 内省的観察(振り返り)
その経験を多様な観点から内省する - 抽象的概念化(教訓化)
- 能動的実験化
得られた仮説や理論を新しい状況下で実際に試す
2の内省的観察が振り返りにあたる。この振り返りを行うことで教訓化され、次のタイミングで仮説や理論を新しい経験下で試すことができるようになる。そしてこの1~4を回すことが経験を生かすサイクルとなる。
ではこの内省はどのようにしたらよいのか。
内省(振り返り)を行う際のポイントを紹介する。
内省の方法
- 仮説検証型
- 行為一体型
- 外部フィードバック型
1.仮説検証型
経験する際に、具体的な仮説があり、その検証を行うケース。事後の振り返りで利用できるので、多くの方がやったことのあることだと思う。
例えば、何かの販促キャンペーンを実施したときに、20代女性をターゲット(仮説の購入者)にしていたとする。販促キャンペーンは目標が達成されたものの、実際の購入者は30代女性が大半を占めていたとすると。。。どうでしょうか。仮説は間違っていたことになる。これを正しく振り返ることで、今後の販促キャンペーンの打ち方が変わってくる。
2.行為一体型
行動途中に内省を行うこと。考えながら作業に当たる。そもそも今の方法は正しいのか、なぜこの方法をとる必要があるのかといった問いを立てながら実践する。
例えば、甲子園に出場するような高校では、練習の合間にミーティングを挟み、なぜこのような練習をするのか非常に短いミーティングを挟み、チームの方向性を確認するようにしているチームが多いようです。また、ビジネス環境の変化が激しい中では、一人ひとりが意味を考えながら行動することが重要だと言えるでしょう。
3.外部フィードバック型
文字通り、他社からのフィードバックを基に内省すること。
例えば、松下幸之助さんは、新卒の若手社員にも今の会社の問題点をヒアリング、それを非常に真摯な姿勢で聞いていたようです。意思決定にもそれを生かしていたと言います。また、その表情、雰囲気などの変化を汲み取って他者にフィードバックを求めることをしていたようです。
さいごに
学習を継続していくためのモチベーションについて。
モチベーションが途切れることはよくあること。なぜ学ぶのかを見失ってしまうためだ。どのようなポイントを押さえれば維持継続できるのか。
学習動機
「学ぶ意欲の心理学」という書籍では、外発的動機、内発的動機、学習の功利性、学習の重要性の観点から6つの志向があると書かれていた。
- 充実志向
学習自体が楽しい - 訓練志向
知力を鍛えるため - 実用志向
仕事や生活に生かす - 関係志向
他者につられて - 自尊志向
プライドや競争心から - 報酬志向
報酬を得る手段として
例えば、この3カ月は報酬アップのために徹底的に勉強する、次の3カ月は自分の人生を豊かにするための本を読むなど、自分自身の学習動機を把握することも学習を継続するためには重要となります。
以上、大切なことは自分に合った学習法を見つけること。この内容が少しでも皆様の学習に役立てば幸いです。
ちなみに、私は回し者でも何でもないですが、グロービス学び放題はコンテンツが充実していて、見たり聞いたりしているだけで、へぇーと思うことがたくさんあるので、知的好奇心が掻き立てられて純粋に学ぶことが楽しく感じています。