ロジスティクスの使命と目的

2ロジスティクスの使命と目的

経営におけるロジスティクスの使命と目的は、顧客サービス、ネットワーク形成、システム形成、ブランド力と社会的責任の向上である。

  1. 顧客満足
    顧客満足とは収益性の向上に直接関連するロジスティクスの目的の一つである。ロジスティクスが提供する顧客サービスによって企業の売り上げが左右される。顧客の購買行動における顧客ニーズを知って他社との競争優位に立つ顧客サービスを提供することが重要である。市場変化への俊敏な対応、在庫アベイラビリティの向上、リードタイムなどの優位性によって、市場占有率を向上させることができる。逆に品切れ等によって売り上げ機会損失が増大すれば、収益性の低下に結びつく。このほか、納品の正確性や情報提供ドライバーの態度や印象なども顧客満足度向上の対象として考えられる。
  2. ロジスティクス・ネットワークの形成とスループットタイム
    ロジスティクスのネットワークは、リンク(輸配送)とノード(物流拠点)の組み合わせで形成される。このネットワークは、顧客までのつながりであり、多くのサプライヤーから資材調達、工場における生産物流センターにおける保管と管理、受発注を伴う商取引、配送センターにおける荷揃え、顧客への配送などから構成される。
    この時スループットタイムには、物流拠点における在庫保管期間も含まれるので、ネットワークにおける在庫マネジメントやその情報システムも、スループットタイムに大きな影響を与える。スループットタイムの長短は、投下資本の回収スピードを意味し、ロジスティクス・ネットワークの形成は、ロジスティクスに供する固定資産にも影響を与える。特にグローバルネットワークではスループットタイムの長短がキャッシュフローに大きく影響する。
    以上のことから、ロジスティクス・ネットワークをいかに形成するか、またスループットタイムをいかにマネジメントするかは、経営効率や企業価値向上に直接影響するため、ロジスティクスの重要な使命である。
  3. 効率的なシステム形成とマネ地面によるコスト低減
    ロジスティクスを遂行するシステムの効率化とそのマネジメントには、企業の収益性向上のためにコストを低減し、競争力を増強する役割がある。この時輸送や保管などの単一機能のコスト低減ではなく、ロジスティクス全体の効率化やマネジメントによって、トータルコストの低減を図ることが重要である。そのためには、ロジスティクスの過程での明確なコスト把握と改善・改革の視点が不可欠である。
  4. ブランド力と社会的責任
    企業ブランド直と箱kyカウからの信頼であり、社会的責任の推古当地球環境に配慮したロジスティクスを遂行することである。商品品質のみならず、企業の果たすべき社会的責任の遂行を含めた企業姿勢が信頼を獲得する。いわゆるコンプライアンス、地球環境への対応など、ロジスティクスの使命は大きい。
  5. 在庫マネジメント
    在庫マネジメントには、先に述べたスループットタイムにおける在庫保管期間の管理と共に、企業価値向上のための投下資本回収の効率化として、棚卸資産の削減が大きな役割を持つ。このため在庫マネジメントは、ロジスティクスにおける重要な役割の一つである。経営効率化指標としてのROA(Return on Assets=総資産利益効率)との関連で、在庫マネジメントの重要性を見てみよう。
    ROA=純利益÷総資産=(売上ー総費用)÷(流動資産+固定資産)
    在庫は言うまでもなく流動資産である。棚卸資産の削減は、流動資産を減少させROAを向上させる。同時に在庫保管コストや管理コストの低減につながり、このことは分子の総費用を減少させる。さらに在庫保管スペースの減少によって、分母の固定資産をも減少させるのである。すなわち、在庫削減はROAの向上に三重に効く。
    一方在庫アベイラビリティ、すなわち欠品率の低減によって売上高を向上させ、市場占有率の向上に結び付けることは、ロジスティクスの重要な使命である。

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